Pond 3の生物調査

生き物

現在ルアー・フライ用に開放しているPond 3ですが、放流前からいわゆる「ハヤ」やハゼの仲間、小さなヤマメが確認されていました。

また、ホタルプロジェクト(いつか書きます(^^;)に必要なカワニナがたくさんいることが分かっていましたが、稚貝が見られないので、これらの生息状況の調査を行いました。

ニジマス放流前

1年とちょっとの間ですが、マスという捕食者がいない状態だったPond 3には、最大で10 cmくらいの、いわゆる「ハヤ」や、おそらく導入渓流から入り込んだであろうヤマメ、またハゼの仲間が気持ち良さそうに泳いでいました。

また、ゲンジボタルの幼虫の餌となるカワニナの親貝が多くみられました。

本来はマスの放流前に調査を行いたかったのですが、忙しさに押されてしまいまして、ようやく最初の定休日に思い切ってやってみることにしました。

親ハヤ(当初未同定)や小さかったヤマメなどは、既に食べられてしまったとは思いますけれど…。

調査結果!

そして、実際に採集調査した結果ですが…。意外な生き物を含めて、いろいろと採れまして、バリバリ理系(生物系)の自分にとっては、楽しくてしょうがない調査になりました(笑)

冬、しかもマスがたくさん泳いでいる中でも、多くの生き物が生息・越冬していることが分かりました。もっと丁寧にやれば、さらに見つかると思いますけどね。

細かい昆虫類は何種類いるかわからないくらいでしたので、とりあえず大物だけをご紹介したいと思います。

キャンプの際の昆虫採集のご参考に、おそらくマスたちのベイトになっているとも思いますので、釣りの際のフライやルアーのご参考にどうぞ!

携帯カメラだと限界ありますね…。今後デジタル一眼とか欲しいです(^^;

魚類

先ずは魚類です。

稚魚の同定はなかなか難しいのですが、おそらく「アブラハヤ」だと思われます。

カワムツやヌマムツにも似ているのですが、これらは群馬県内に生息が確認されてはいるものの、国内外来種なので、在来種の期待を込めて、また背びれと腹びれの位置などをみて「アブラハヤ」としました。

やはり大きなサイズのものは見つからず、マスたちに食べられてしまったようです(^^;

そしてもう一種はハゼの仲間。当初この辺りまで登ってくるのはヨシノボリかな?と思っていましたが、腹びれは吸盤状になっておらず、「ジュズカケハゼ」のようです。

彼らはあまり中層を泳ぎ回らず、底の落ち葉の下などにいるために食べられることも少ないのでしょう。それなりに多く生息しています。

甲殻類

次に甲殻類です。甲殻類はいてもヨコエビの仲間くらいかな?と思っていたのですが、意外なものがいました。

ヌマエビの仲間です。ただ、残念なことにどうやら「シナヌマエビ」のようなんです。当初見つけたときは「ヌカエビ」か!?と思ったのですが…。

以前榛名湖にBBQと釣りで遊びに行った際、水草場でエビを見つけ、調べたら「ヌカエビ」でした。しかも「ヌカエビ」のタイプ標本は榛名湖だそうで、へぇ~と思っていたのです。

そして今回採集したものを同定しようと調べてみると、「ヌカエビ」は群馬県のレッドデータで絶滅危惧Ⅱ類になっているではありませんか!どうも外来種のヌマエビ類に生息地が取って代わられつつあるようです。

そう、なぜ残念と思ったかと言いますと、この「シナヌマエビ」こそその外来種なのです。

山奥なので「ヌカエビ」だとてっきり思っていたのですが、こんなところにまで侵入してきているとは…(泣)

では、なぜこんなところにいるのでしょう?考えられるのは
1.養魚場から放流するマスと一緒に持ち込まれた。
2.自然に烏川⇒元三沢(KRBC内を流れる沢)を伝って遡上してきた。
3.以前生餌として釣り堀で使用されたことがある。
4.エサ釣り用のエサとしてお客様が持ち込んだ。

1はどうでしょう?おそらく養魚場にいたら食べられちゃうと思う。でも、輸送直前に川から水を摂ったりすれば、入ることがあるかもしれない。これはKRBC内の他の池での調査も必要です。

2は…結構エビにとってシビアだと思う。ヤマトヌマエビのようにガシガシ遡上するエビと違って、シナヌマエビは陸上を歩けないそうですし…。(ヤマトヌマエビは関東以北には分布していないと言われています。)

3は記録が無いようです。4は少し考えられるかもしれません。関西方面だとエサ釣り用に生きたものが売っている(売っていた)らしい。

いつからここに生息していたのかは全くもって不明ですが、結構な数がいますし、当歳らしい小さいのもいますし、自然繁殖しているのは間違いありません。

池の水も下流には普通に流れ出しているので、元三沢とその下の烏川が汚染されているのは間違いなかろう(ガックリ)。

ちなみにヨコエビの類は本調査では見つかりませんでした。

昆虫類

昆虫類は色々いるだろうな、というのは当初から予測していました。実際に極小さなカゲロウやトビケラの仲間の幼虫は、同定するのも面倒なほどいました。

先ずは比較的大きなカゲロウの仲間の幼虫です。逆光になってしまっていますが、エラが真っ赤でなかなかにカッコイイやつです。どうも水面辺りでソワソワしているなと思っていたら…。

翌日羽化しました(笑)。カゲロウの仲間も同定が難しいのですが、「クロタニガワカゲロウ」かな?という感じです。結構カワイイ顔してます。フライの参考になりますか!?

ヤゴは何種類かいるだろうな、と思っていたのですが、予想に反して種類はこれしか採れませんでした。形態の特徴から、サナエトンボの仲間のヤゴだな、という感じです。細かい種類までは不明です(^^;

これはゲンゴロウの仲間、おそらく「ヒメゲンゴロウ」です。

冷たい水の中ですが、結構動き回っています。カワニナ用に砕いて入れたマス用のエサもどうやら食べているようで(^^;

これは「マツモムシ」。

水生カメムシの仲間らしく、他の生き物に口を突き刺して吸うのですが、むやみに手で触るとその口吻で刺されるので注意です。アブに刺された時のように、かなり痛いです(^^;

そして一番驚いたのが「ミズカマキリ」。県内では比較的普通種ですが、1mくらいの幅のところに2匹いました。こんなところで越冬しているとは。

それにしてもカッコいいフォルムしてます。エヴァの使徒みたいです。エヴァ、観たことないけど(^^;

きちんとビオトープを作れば、たくさん来てくれるんじゃないかと期待してしまいます。ついでにコオイムシやタイコウチ、タガメ!なんかも連れてきてくれると嬉しい!

貝類

貝類はとにかく「カワニナ」の稚貝の有無とその量を知りたいところでした。2~3シーズンかけて、ゲンジボタルを呼び戻そうと思っているので。ホタルを横に見つつウイスキーを飲みながらキャンプなんて、最高ですよね!?

夢はディズニーランド、パイレーツ オブ カリビアンの始まりのところにいるおじいさんです。

その他の貝は、流池の方にモノアラガイや未同定の巻貝がいるのは見たのですが、Pond 3ではカワニナ以外はいなさそうで、結局調査でも見つかりませんでした。

特に今回の調査で、それなりに多くの稚貝が見つかったのは嬉しかったですね。水温が低いので、稚貝の生存率が低そうだと懸念していましたが、堆積した枯葉の中などに結構たくさんいました。

今後ホタルプロジェクトを進める中で、今回必要十分量のカワニナの沢への放流や、Pond 3をカワニナ養殖池としても利用できる可能性が見えたのは良かったです。

水草

そして水草は「クロモ」がたくさん生えています。

管理釣り場として、このような邪魔者が生えているのを放置するのは良くないことなのかもしれませんが…。自分は敢えて残しておきたい!

ガツガツ釣るのも良いですが、自分はある程度の自然を残し、ゆったりした気分で釣って欲しいんですよね。

もっとも、クロモくらいなら根掛りしてもすぐにルアーやフライも回収できますけれどね。

だからビオトープを作りたいんです!

KRBC Fishing and Campingでは、釣りとキャンプだけではなく、いろいろな計画があります。その中の一つが自然教育の場を提供することです。

KRBCの立地はとにかく素晴らしく、針葉樹広葉樹、しかも古木から若木まであり、沢、湧水も豊富で、上流側には民家が無い清流であるばかりでなく、逆に下流側には田畑があり、自然環境・人とのつながりで成り立つ自然などがバランスよく存在しています。

そしてここには9つの池があり、流池の最後の段は建築当初は「ため池」として利用されていました。つまり養殖池・釣り池と自然の川との緩衝池として存在していたと考えられます。

ここを自分としてはビオトープにしたいんです。

ビオトープ予定のFlowing Pond 5(流池5)。250 m2程度の広さがあります。

夏季増水時のマスの逃亡防止の意味もありますが、上流各池はマスの養殖池・釣り池として利用するため、餌の残渣や排泄物などで富栄養化した水を、ここで少し浄化することもできると思います。

湿原風にして、歩けるような歩道を作ったり、生き物採集して遊べるようなところにするのが目標です!

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