ヤマメの稚魚

生き物

釣り人にもキャンパーにも「KRBC Fishing and Campingがあるのはどんな場所ですか?」と聞かれた際には、こう答えることができます。

「渓流の女王と呼ばれるヤマメが自然繁殖できるような環境ですよ」と。

ヤマメの赤ちゃんが迷い込んできた!

昨年の秋、Pond 3には10 cmくらいのヤマメが泳いでいましたので、おそらく天然のヤマメがいるんだろうな、とは思っていました。

KRBC Fishing and Campingにはニジマスなどを養殖できる池がありまして、元三沢から水を引き込んでいるのですが、養殖池の手前に泥や葉っぱが流れないようにする沈殿池があります。

秋の沈殿池の様子。もはや沈殿させるところがないほど泥や葉が堆積してしまっていて…取り除かないとです(^^;

そこに3~4 cmくらいの妙にクネクネと艶めかしく泳ぐ魚が何匹か見えました。明らかにハヤの動きではなく、以前の記憶から「これはサケ科の稚魚の動きだ!」と判断し、採集してみることにしました。

インレットのたまり場、特に左側の枯れ草繁み近くにチラホラいました。

採ろうとしてみると、意外と素早い動きで隠れます。その隠れたところを網でゴソゴソやると…。

採れました!10匹程度泳いでいるのを確認し、3日ほど掛けてそのうちの9匹⇒その後合計15匹確保です。

サケ科に特徴的なアブラびれがありますし、はっきりしたパーマークもありますので、ヤマメと言って良いでしょう!

2週間ほど前に雪と雨が3日くらい続いていたことがあり、結構増水したので、おそらくその時に流されて入って来たと思われます。その直後に気付いていたら、もっとたくさんいたかもしれません。気付いたのはその1週間後くらいだったので。

このヤマメたちをどうしましょう?

一応ヤマメと予測して採れた時のことを想定し、発見した日は採集せずに水槽の準備をしました。なので、今は安全に水槽飼育できています。

このまま元三沢に放流するのが一番の筋かとも思うのですが、ご来場いただいたお客様、特に子供たちの観察のために、少し飼育を続けようと考えています。

このまま大きくして、釣り用に育てよう!とは思っていません(笑)

ただ、一点確認したいことがあるんです。
それはこのヤマメが ”純系なのかどうか” です。

どういうことかと言いますと、このヤマメは元から元三沢にいた在来魚なのか、どこかから移入されたものなのか、ということです。

先ずはKRBC Fishing and Campingの前身のカネト水産釣り堀は歴史も長いですし、購入してきたヤマメが何かしらの都合で逃げてしまい、それが居ついた可能性です。

カネト水産で以前扱っていたのはニジマスとイワナだったとのことですが、今回我々が購入した時のように、サービスでヤマメを入れて頂いたことなどがあるかもしれません。

または渓流釣り解禁に併せて、烏川に放流されたものが遡上してきて居ついた可能性もあります。下流に魚止めになりうる砂防ダムがあるのですが、その建設前に上ってきた可能性や、下流で釣った釣り人が上流で放した可能性もあります。

例えば群馬県の水産試験場のヤマメに関するサイトを見ますと、我妻川系のヤマメは国内でも珍しい純系で、県でも大切に系統保存されているとのこと。
https://www.pref.gunma.jp/page/20806.html

なので、できればヤマメに非侵襲的な方法、例えば環境DNA分析的な手法で純系かどうか県の水産試験場で調べられるのか、聞いてみようと思っています。
(実は情報ややり方が分かり、コントロールサンプルなどがあればKRBCでもできるんですけどね。PCRを行うためのサーマルサイクラーなどの実験機器があるので(笑))

もし純系だと判明したら、数匹残して繁殖に回し、系統保存も兼ねた養殖を行うこともありかなと考えているのです。

でもシナヌマエビの件もありますし…期待薄かな(^^;
https://www.krbc-fishing-camping.fun/pond3-investigation/

ヤマメが自然繁殖できる環境

ヤマメが自然繁殖するためには、産卵床となる適度なゆっくりとした流れで、浅い砂礫質の瀬などが必要です。また、ヤマメは水温が24℃を越えるような場所では生存できないため、年間を通じて23℃以下が保たれる必要があります。そしてもちろん清流でなければなりません。

KRBC Fishing and Campingはまさにそのような場所に立地しています。

ヤマメが迷い込んが元三沢はすぐ上流に砂防ダムがあるので、わずか50 mくらいの間に産卵場所があることになります。だいたいここのあたりかな?というところはありますけどね(笑)。

そして何より親魚がそれなりの数、生息していなければなりませんが、もちろんいることは確認しています。

中央に2匹いるのですが…わかりますか!?ヒトの眼だと、しっかりパーマークも見えるのですが(^^;

暖かくなってくると、遊漁券を携えた釣り人がたまに上がってくるそうですが…。かなり警戒心が強く、魚影はそれなりにありますけれど…釣れるのかなぁ(^^;

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